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「ごめーん。風邪ひいちゃったみたい」メールに潜む妄語

口で造る4つの悪の最後は、妄語(もうご)です。

これは、事実無根の嘘をつくことを言います。

 

子供の頃から嘘をつかないように、嘘をつくことは悪いことだと

言われた人は多いと思います。

 

嘘をつくのは悪いこと、これは、多くの人の共通認識でしょう。

そして、子供にも他人にも嘘をつかないように、正直であることを

要求します。

 

政治家が違法献金や不倫問題を起こした時には、

正直に話しなさい、嘘をつくなと追求します。

 

それは必要なことで、罪を犯した人には、反省して、正直に事実を話し

罰を受けてもらうことは大切です。

 

しかし、そのように追求している私はどうかと考えてみると、

実は、いろいろな場面で嘘をついていることに気がつきます。

 

いや、嘘をつかなかったら生きていけないのが私たちの社会とも

言えるかもしれません。

 

商売をする時も、正直に全てをさらけ出したらどうでしょう。

「この商品は、100円で仕入れてきたんですけど、

1万円で買ってください」

なんて宣伝をしたら、買う人はいないのではないでしょうか。

倒産した会社からタダ同然で仕入れてきた商品も、

「ブランド物で、通常価格は、3万円のものですが、

今回日頃のご愛顧に感謝して、特別に1万円で提供させて

頂きます」

と言うからこそ、商売が成り立つと言えるでしょう。

 

もちろん、単純に価格の問題ではなく、情報を仕入れて、

交渉する労力をその価格に入れていると言うことであり、

お互いがその価格に納得しているならば、悪いことではないの

ですが、そこに儲けたいと言う欲がないかと言うと、

やはり自分の欲のために事実を隠して嘘を言っている姿が

見えてくるのではないでしょうか。

 

また、営業に行った時も、

「この単価もっと下がらないかな」

と言われて、

(そうだな、あと100円は下げても利益は出そうだけど)

と思いながらも、

「勘弁してくださいよ。これでもギリギリの線なんですよ。

これ以上下げたら私がクビになります」

と真剣な面持ちで懇願したりします。

 

お互いが、相手も自分も満足できるような交渉をと言う意識を

持っているならば、状況をつまびらかに話をして、どの価格設定が

適切かを相談し、双方が納得する形で契約することができるのですが、

そこに、自分が儲けたいと言う欲の心が自分にもあるので、相手も

同じ心だろうと思うために、相手の言葉をそのままは受け入れられず、

両方が嘘を付き合っているのがビジネスの現場ではないでしょうか。

 

プライベートでも同じようなウソが当たり前のように氾濫しています。

母「こんな遅くまで何してたの!?」

子「剛士くんの家で、一緒に宿題をしてたんだよ」

母「あれ、剛士くんからさっき電話があったわよ」

子「……」

 

妻「あなた昨日は、遅かったじゃないの」

夫「いや、急に部長が仕事を振ってきてね。大変だったよ」

妻「そう…、スーツのポケットからこんなマッチが出てきたんだけど…」

夫「……」

 

夫「その服、どうしたの、いつ買ったの」

妻「いや、バーゲンで安かったのよ」

夫「いくら?」

妻「いいじゃない。そんなことより、あなた…」

 

彼氏からのメール「ねえ、今日、夜空いてる?」

彼女「うん。空いてる、空いてる!」

友達へのメール「ごめーん。風邪ひいちゃったみたいで、熱も出て、声もひどいから

今日の約束行けなさそう。本当にごめんね」

友達からのメール「大丈夫。なんか食べ物持ってお見舞いに行こうか?」

友達へのメール「ううん。わざわざ悪いし、感染るといけないから…」

 

なんて会話がいろんな場面で展開されています。

しかし、あまりにも嘘ばかりついているので、自分が嘘をついている

自覚もありません。

ちょうど、臭いトイレに入ると、初めは臭いと感じるのですが、

しばらく入っていると、鼻がバカになって、臭いと感じなくなるよう

なもので、子供が大人の世界を見ると、嘘ばかりと嫌悪感を抱いても、

自分がその世界に入ると、それに対する違和感がなくなって、

嘘をついていると感じることもなくなります。

しかし他人には、嘘をつくなと要求するのですから、わが身知らずは

おろそしいと感じます。

他人の嘘や不誠実を問題にすることも必要でしょうが、

それは、自分の心の姿の表れであることを見つめることが大切なの

ではないでしょうか。

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