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孝行の難しさが知らされるのはどんな時でしょう。

雑毒の善について続けて書いています。

私たち人間の善には、お礼や見返りを期待する心がなくならないと教えられるのですが、

私にはそんなお礼や見返りを期待する心はありません。
そんな見返りを期待する心を感じたことはないです。

という人があります。

そんな人は、見返りを期待する心を離れて、純粋な心で善をしているのかもしれません。

それならば、その人は自分のやった善で幸せになれる人ですから、仏教を聞かなくても、自分の力で幸せになれるということです。

しかし、もしかしたら、見返りを期待する心に気がついていないだけなのかもしれません。

もし、自分の周りの人がとてもいい人で、お礼や感謝の言葉を常にかけてくれる人ばかりだとすれば、お礼や見返りの心に気がつかないこともあります。

例えば、お店を開いているとして、品物を手にとった客がお金を支払ってその品物を持っていけば、何も思いませんし、その客のことはあまり記憶にも残らないのではないでしょうか。

しかし、もし、お金を支払わずに品物を持って出て行こうとすると、ちょっと待って、何か忘れていることないですかと声をかけずにおれなくなりますし、そんな客のことはずっと覚えているでしょう。

ちょうどそのように、何かをしてあげたのに、お礼の言葉が聞けなかったら、ちょっと何か忘れていることないかと思いますし、そのことは記憶に残るでしょう。

しかし、何かをした時に、相手が十分なお礼や感謝の言葉を返してくれたら、すっと納得できますから、特にそれ以上何も思いませんし、記憶にも残らないでしょう。

周りがひどい人ばかりで、何かをしてあげても、何もお礼を言わない人ばかりであっても、何も思わないという人であれば、それは純粋な心なのでしょうが、そんな心になれる人は、なかなかないのではないでしょうか。

また、お礼や見返りを期待する心をあまり感じない人は、あまり人のために行動していない人ということもあります。

友達と自動販売機でジュースを買う時に、小銭が足りないからと10円を貸したことに対して、友人が忘れていても、何も思わない人は多いでしょう。

しかし、事業の資金繰りに困った友人に100万円を貸したのに、それを友人が忘れていたら、心中穏やかではないでしょう。

このお礼や見返りを期待する心は、自分のやった善が大きければ大きいほど強くなるものです。

お礼や見返りを期待する心の強さを感じるのは、それだけ苦労して人のために行動している人と言えるかもしれません。

例えば、親に見返りを求める心なく孝行することの難しさは、一生懸命孝行をしている人ほど感じるのではないでしょうか。

孝行するのはそんなに難しくないという人は、実はあまり孝行をしていない人かもしれません。

父の日や母の日には、プレゼントしているし、誕生日にも電話もしているし、孝行しているよと、その行動で自分は孝行をしていると感じているのかもしれません。

何もしないよりもずっと素晴らしいことですし、人によってはそれが難しいという場合もありますが、多くの人にとっては、それほどの苦労が無くできることなのではないでしょうか。

それほど苦労をしていない場合は、それほどお礼や見返りを期待する心を感じることはありません。

もし、寝たきりになった親のために、自分も仕事を辞めてお金も時間も体力も、何より精神的に厳しい中看病をしている人には、世話をしている親から何のお礼や感謝の言葉もなく、文句が出てきたりしたら、こんなにしてやっているのに、という心が出てこないでしょうか。

そして、そのような周囲から見たらすごく孝行をしているという人ほど孝行することの難しさを感じるのではないでしょうか。

口や体の行いをよくしようとすればするほど、心に目が向くものです。

口や体の行いに気をつけていない人は、お礼や見返りを期待する心にも気がつかず、雑毒の善と言われてもわからないだけなのかもしれません。

このお釈迦様の教えは、言葉を聞いて、頭で理解できるということではなくて、体を通して、良い行いを実行してこそ、知らされてくるものです。

しかし、雑毒の善を知らなければ、もっと気持ちよく善ができたのにという人があるかもしれません。

しかし、それは、純粋に相手のことを思って善をしているのにと、お礼を言わない相手に腹を立てたり、イライラしたり、それが相手に対する態度に表れて、自分も相手も苦しむことになるかもしれません。

この雑毒の善ということがわかって初めて、独りよがりではなくて、相手のことを思うとはどんなことかと自分の心に目が向くようになり、それが行動にも現れるようになります。

お釈迦様の教えを聞いて、本当の自分の姿を見つめることの大切さについて少しでも感じていただけたらと思います。

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